2019/06/19

【貴重な解答だぜ?】国家総合職(記述式)河川工学の過去問に対する俺の解答を公開!平成20~平成28年度

 

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『河川工学の貴重な解答を用意したぜ!!!』

国家総合職の記述試験って公務員試験の中で最難関の試験だと思います。

一番配点が高いこの記述試験で高得点を取ることができれば合格へ大幅に近づくことができます。

専門試験は29科目の中から基本的に2科目選んで解答するので、何を選択するか決めて勉強しなければなりません

ですが人事院に申請して過去問自体は入手できるものの”解答を手に入れることはできない”です。

独学で勉強していると自分で解答を作っていかなければなりませんが、これが思った以上に大変です。

僕自身、解答を作るのにものすごく時間を使ってしましました。

なのでこれから国家総合職を目指す方たちに効率よく勉強していただけるように

「河川工学」

の僕が時間をかけて作った解答

「H20~H28までの解答」

を紹介していきたいと思います。

もちろん解答を用意できなかった問題もありますし、間違えたまま覚えてしまっている問題もあるとは思いますが、そこはご了承ください。

僕自身は一生懸命時間を使って用意した解答なので参考程度にしていただけたら幸いです。

※このページは国家一般職や地方上級(市役所など)を受験する方にはほとんど参考になりません。

過去問の入手方法がわからない方はこちらを見てみてください。

 

平成20年度 国家総合職 工学区分 河川工学の問題と解答

(1) 我が国の治水に関する以下の問いに答えよ。

 (a) 我が国の治水上留意すべき地理的特徴について説明せよ。

 (b) 我が国の治水上留意すべき過去数年んお気象変化について説明せよ。

 (c) 近年頻発している都市型水害の特徴について説明せよ。

 (d) 都市型水害への対策について、ハード対策、ソフト対策の両面から説明せよ。

 

(2) 以下の洪水の流出解析手法について、それぞれ簡潔に説明せよ。

 (a) 合理式

 (b) 単位図法

 (c) 貯留関数法

 (d) タンクモデル

 

(3) 以下の洪水時に堤防が決壊する主な原因について、それぞれの決壊に至るメカニズムと決壊を防ぐための対策について説明せよ。

 (a) 越流

 (b) 洗堀

 (c) 浸透

 

(4) 我が国は、地形及び地質の特徴から、河川の上流から河口・海岸に至る流砂系での土砂移動量が多いが、ダムや堰などの河川を横断して設置された構造物の影響により、問題が生じている流砂系がある。生じている問題をいくつか挙げ、それらの問題を解決するための対策について具体例を含めて述べよ。

 

(1)の解答

(a) 我が国の治水上留意すべき地理的特徴について説明せよ。

我が国は、河状係数が非常に大きく、人口・生活・資産の大部分が氾濫域である沖積平野上で営まれているため、水害や土砂災害の被害を受けやすい。

(b) 我が国の治水上留意すべき過去数年の気象変化について説明せよ。

地球温暖化やヒートアイランド現象による局所的な集中豪雨の増加。

(c) 近年頻発している都市型水害の特徴について説明せよ。

都市化に伴い、アスファルト舗装等の不浸透区域の増加により雨水等の河川への流出率の増加やピーク流量の増加がみられる。その中でヒートアイランド現象による局所的な集中豪雨の増加により雨水が処理できなくなり、水があふれ、内水氾濫となる。

(d) 都市型水害への対策について、ハード対策、ソフト対策の両面から説明せよ。

[ハード対策]

・貯留浸透施設の設置

・下水道事業による雨水管・ポンプ場の整備

・透水性アスファルトの採用

[ソフト対策]

・浸水想定区域図・洪水ハザードマップの周知

・洪水情報システムの拡充

ひとこと

「都市型水害とはどんなものなのか」きちんと理解しておいたほうがいいと思います。

 

(2)の解答

(a) 合理式

洪水のピーク流量を推算するための簡便な手法で、Qを流量[m3/s]、fを流出係数、rを洪水到達時間内の平均雨量強度[mm/h]、Aを流域面積[km2]とすると、Q=1/3.6 ×frAで与えられる。

流域面積が小さく、洪水調節施設(ダム等)も考慮する必要のない河川で、ピーク流量のみが必要な場合に用いられる。

(b) 単位図法

河川のある地点における単位時間・単位有効雨量による流出ハイドログラフは同型と仮定して線形に重ね合わせてハイドログラフを求める手法。

(c) 貯留関数法

流出現象の非線形特性を表すため、降雨から流出への変換過程を導入し、貯留量と流量との間に一義的な関数関係を仮定し、貯留量を媒介変数として降雨量から流出量を求める手法。

(d) タンクモデル

仮想の貯留型タンクを複数個組み合わせることによって流出機構のモデル化を試みたもの。

ひとこと

洪水の流出解析手法は頻出です。

 

(3)の解答

(3) 以下の洪水時に堤防が決壊する主な原因について、それぞれの決壊に至るメカニズムと決壊を防ぐための対策について説明せよ。

(a) 越流

[メカニズム]

河川水が悦亮右し、その越流水により、土でできた堤防の川裏法尻が洗堀される。これにより堤防の法尻が洗堀され、決壊に至る。

[対策]

・ダムによる洪水調節を行い、河川の水位を下げる。

・堤防のかさ上げを行う。

(b) 洗堀

[メカニズム]

河川水による堤防の侵食・洗堀が徐々に進行し、しだいに堤防がすべりはじめる。そして、堤防の法尻を洗堀されてしまうことで決壊に至る。

[対策]

・法面に防水加工を施す。

(c) 浸透

[メカニズム]

河川水の水位の上昇により、河川水が堤防内に浸透し、さらに水位が上昇することで堤防が弱って決壊する。

[対策]

・堤防にコンクリートブロック、遮水シート等の耐水加工を施す。

・ドレーン工を設ける。

・洪水調節を行い、河川の水位を下げる。

 

(4)の解答

(4) 我が国は、地形及び地質の特徴から、河川の上流から河口・海岸に至る流砂系での土砂移動量が多いが、ダムや堰などの河川を横断して設置された構造物の影響により、問題が生じている流砂系がある。生じている問題をいくつか挙げ、それらの問題を解決するための対策について具体例を含めて述べよ。

土砂移動量は多い一方、河口や海岸に到達する土砂量は著しく減少している。

・ダムの上下間での河床変動が起きてしまう。

・海岸における砂浜の後退

対策としては、スリット型ダムの設置や排砂バイパス施設の設置が挙げられる。

 

平成21年度 国家総合職 工学区分 河川工学の問題と解答

(1) 河道計画に関する以下の問いに答えよ。

 (a) 以下の用語について、それぞれ簡潔に説明せよ。

 (ⅰ) 等流

 (ⅱ) 不等流

 (ⅲ) 不定流

 (ⅳ) 限界掃流力

 (b) 河道の横断形には、単断面河道と、低水路と高水敷をもつ複断面河道とがあるが、一般的に単断面河道に比べて複断面河道にすることの利点を3つ述べよ。

 

(2) ダムに関する以下の問いに答えよ。

 (a) 次に示すダムによる代表的な洪水調節方式㋐~㋒について、それぞれの概要を説明せよ。

 (ⅰ)  一定率一定量放流方式

 (ⅱ) 一定量放流方式

 (ⅲ) 自然調節方式

 (b)(c) は省かさせていただきます。

 

(3) 治水対策に関して以下の問いに答えよ。

 (a) 以下の用語について、それぞれ簡潔に説明せよ。

 (ⅰ) 輪中堤

 (ⅱ) 遊水地

 (ⅲ) 控堤

 (ⅳ) 災害危険区域

 (b) 河川堤防は土堤が原則であるが、その理由を3つ述べよ。

 (c) 治水対策において、通常の河川改修(築堤、河道の拡幅、掘削)に比べて、土地利用の規制・誘導と一体となった治水対策(輪中堤、宅地のかさ上げなど)を選択する方が有利であるのはどのような場合か2つ述べよ。

 

(1)の解答

(a) (ⅰ) 等流

断面形及び勾配が縦断的に変化しないと考えられる水路に、時間的に一定の流量が流れること。

(a) (ⅱ) 不等流

断面形及び勾配が断面的に穏やかに変化する水路に、時間的に一定の流量が流れること。

(a) (ⅲ) 不定流

流量の時間的な変化が無視できない流れのこと。

(a) (ⅳ) 限界掃流力

土砂が水流によって運ばれる現象を流砂というが、限界掃流力とはこの流砂が発生する最小の水流の強さの事。

 

(b) 河道の横断形には、単断面河道と、低水路と高水敷をもつ複断面河道とがあるが、一般的に単断面河道に比べて複断面河道にすることの利点を3つ述べよ。

・高水敷上で洪水のときに流れる水の水深が浅くなる。

・洪水時に流れる水の流速が小さくなる。

・駐車場やスポーツ場として高水敷の部分を利用できる。

ひとこと

高水敷とは河川敷などの事です。

サッカー場や野球グラウンド、テニスコートがあったりしますね。

 

(2)の解答

(a) 次に示すダムによる代表的な洪水調節方式㋐~㋒について、それぞれの概要を説明せよ。

(ⅰ)  一定率一定量放流方式

計画の最大流量までは、ダムへの流入量に一定の率をかけた量を放流し、最大の流入量に達した後はその時の放流量で一定量放流する方式。

(ⅱ) 一定量放流方式

ある一定以上の流入に対して、その一定量以上の放流を行わない方式。

(ⅲ) 自然調節方式

洪水吐きにゲートを有しておらず、洪水吐きから自然に放流する方式。

放流量は洪水吐きの大きさと水位によって決まる。

 

(3)の解答

(a)(ⅰ) 輪中堤

ある特定の区域を洪水の氾濫から守るため、周囲を囲むようにした堤防

(a)(ⅱ) 遊水地

洪水時に洪水の流水を一時的に氾濫させる土地のこと。

(a)(ⅲ) 控堤

本堤背後の堤内地に築造される堤防で、万一、本堤が破堤した場合に洪水氾濫の拡大を防ぎ、被害を最小限にとどめることができる。

(a)(ⅳ) 災害危険区域

津波・高潮・洪水などの災害に備え、住宅や福祉施設といった住居用建築物の新築・増築を制限する区域。

(b) 河川堤防は土堤が原則であるが、その理由を3つ述べよ。

・堤体材料としての土は安価で多量に調達が可能。

・かさ上げ・拡幅・補修といった工事が容易。

・仮に被災したとしても短時間で復旧が可能。

・自然環境への影響が少ない。

・維持管理が容易。

この中から3つ。

(c) 治水対策において、通常の河川改修(築堤、河道の拡幅、掘削)に比べて、土地利用の規制・誘導と一体となった治水対策(輪中堤、宅地のかさ上げなど)を選択する方が有利であるのはどのような場合か2つ述べよ。

・ある特定の区域に限定して対策を行うことができる。

・コストが低くすむ。

ひとこと

(3)はすべて頻出単語や頻出項目からの出題です。

きちんと復習しておきましょう。

 

平成22年度 国家総合職 工学区分 河川工学の問題と解答

(1) 我が国における水害の変遷に関する以下の問いに答えよ。

 (a) 我が国においては、水害による死者・行方不明者数は、戦後の十数年間に比べて1960年代以降大幅に減少した。その理由について、以下の観点からそれぞれ簡潔に説明せよ。

 (ⅰ) 発生した気象現象

 (ⅱ) 治水対策及び防災対策

 (b) 高度経済成長期以降、都市部の中小河川流域において、いわゆる「都市型水害」が頻発するようになった。その理由について、以下の用語をすべて用いて簡潔に説明せよ。

 [ 人口集中、流出率、ピーク流量、低平地 ]

 (c) いわゆる「ゲリラ豪雨」と呼ばれる局地的豪雨について、①気象的な特徴、②治水対策上の課題について簡潔に述べよ。

 

(2) 治水施設に関する以下の用語について、それぞれ簡潔に説明せよ。

 (a) 霞堤

 (b) 背割堤

 (c) 床止め

 

(3) ダムに関する以下の問いに答えよ。

 (a) 重力式コンクリートダム及びアーチ式コンクリートダムについて、①力学的特性、②堤体断面、③基礎岩盤の観点から比較しつつ、簡潔に説明せよ。

 (b) 「穴あきダム」と呼ばれる治水専用ダムについて、どのようなダムかを簡潔に説明した上で、①治水面、②環境面の観点からそれぞれの特徴を述べよ。

 

(4) 我が国では、従前より、「治水」や「利水」に重点を置いた河川整備がなされてきたが、近年、国民の自然環境に対する関心の高まりに伴い、全国各地で「多自然川づくり」の取組が進められている。そこで、「多自然川づくり」の実施に当たり、河川環境保全・創出の観点から、河川の①平面計画。②縦断計画、③横断計画において配慮しなければならない留意点について、それぞれ簡潔に述べよ。

 

(1)の解答

(a) 我が国においては、水害による死者・行方不明者数は、戦後の十数年間に比べて1960年代以降大幅に減少した。その理由について、以下の観点からそれぞれ簡潔に説明せよ。

(ⅰ) 発生した気象現象

台風や豪雨の予測技術や予報伝達能力の向上により、気象現象からの被害は大幅に減少している。

(ⅱ) 治水対策及び防災対策

堤防の普及、また、その技術、洪水調節施設や遊水地などの洪水被害を減らす設備の増加。輪中堤など、土地にあった対策技術向上も考えられる。

(b) 高度経済成長期以降、都市部の中小河川流域において、いわゆる「都市型水害」が頻発するようになった。その理由について、以下の用語をすべて用いて簡潔に説明せよ。

 [ 人口集中、流出率、ピーク流量、低平地 ]

平野の少ない日本では低平地を中心に人口集中してき、都市化してきた。その都市化に伴うヒートアイランド現象による局所的な集中豪雨や不浸透区域の増加により雨水の流出率が増加し、ピーク流量の増加がおこり、ピーク流量を超えた河川の水が処理できなくなったので頻発するようになった。

(c) いわゆる「ゲリラ豪雨」と呼ばれる局地的豪雨について、①気象的な特徴、②治水対策上の課題について簡潔に述べよ。

①気象的な特徴

集中豪雨の中でも降雨の範囲が非常に狭く、また、降雨時間が短いにもかかわらず、単位時間あたりの降水量が非常に多い。

②治水対策上の課題

・下水道事業による雨水管・ポンプ場の整備

・貯留浸透施設の拡充

・浸水想定区域図・洪水ハザードマップの周知

・洪水情報システムの拡充

ひとこと

ハザードマップに関する知識は”集団討論”などでも活用することができます。

また土木系の公務員になるにあたって必要な知識です。

 

(2)の解答

(2)(a) 霞堤

河川に沿ってところどころに開口部を設け、下流側の堤防を堤内地側へ延長させ、開口部上流の堤防と二重になるとようにした堤防。

(2)(b) 背割堤

2つの河川が合流したり、隣り合って流れるために、流れの異なる2つの河川の合流部をなめらかにしたり、一方の河川の影響が他の河川に及ばないように2つの河川の間に設けられる堤防。

(2)(c) 床止め

河床の洗堀を防止したり、河川の勾配を安定させるために河川を横断して儲けられる施設。

ひとこと

すべて頻出単語です。

 

(3)の解答

(a) 重力式コンクリートダム及びアーチ式コンクリートダムについて、①力学的特性、②堤体断面、③基礎岩盤の観点から比較しつつ、簡潔に説明せよ。

[重力式コンクリートダム]

①力学的特性

堤自体の自重により水圧等の外力に抵抗する。

②堤体断面

一般的に直線型で、横断面は三角形

③基礎岩盤

花崗岩・安山岩が基礎岩盤

[アーチ式コンクリートダム]

①力学的特性

アーチを利用して莫大な水圧等を両岸で支える。

②堤体断面

上流側へ中心部がアーチ状に張り出した構造。水平面は円弧や放物線状。

③基礎岩盤

莫大な水圧に耐えられるだけの強固な両側基礎岩盤。

(b) 「穴あきダム」と呼ばれる治水専用ダムについて、どのようなダムかを簡潔に説明した上で、①治水面、②環境面の観点からそれぞれの特徴を述べよ。

穴あきダムとは

洪水調節機能を有するが、通常時に水を貯めない治水機能に特化したダムのこと

①治水面

洪水時に水を一時的に洪水を貯留することで下流・沿川の洪水被害を軽減できる。

②環境面

通常時水を貯めないため、流入水ち同じ水質が維持できたり、魚類の移動を確保できる。また、土砂も流水と同時に流されるため、水循環・土砂循環において自然に近い物質循環が維持できる。

ひとこと

(a)(b)どちらも重要単語なのできちんと覚えておきましょう。

 

(4)の解答

(4) 我が国では、従前より、「治水」や「利水」に重点を置いた河川整備がなされてきたが、近年、国民の自然環境に対する関心の高まりに伴い、全国各地で「多自然川づくり」の取組が進められている。そこで、「多自然川づくり」の実施に当たり、河川環境保全・創出の観点から、河川の①平面計画、②縦断計画、③横断計画において配慮しなければならない留意点について、それぞれ簡潔に述べよ。

①平面計画

その河川が本来有している多様性に富んだ自然環境を保全・創出することを基本として定め、過度の整正又はショートカットは避けること。

②縦断計画

その河川が本来有している多様性に富んだ自然環境を保全・創出することを基本として定め、掘削等の河床材料や縦断形の変化や床止め等の採用は極力避けること。

③横断計画

河川が本来有している自然の復元力を活用するため、標準横断形による上下流一律の画一的形状での整備は避け、河幅をできるだけ広く確保するようにすること。

ひとこと

”多自然川づくり”関係の問題は何度も出題されています。

配慮しなければいけない点は準備しておきましょう。

 

平成23年度 国家総合職 工学区分 河川工学の問題と解答

(1) 流域における洪水被害の防止・軽減を図るためには、河川の改修(築堤、河道掘削など)や洪水調整施設の整備のみならず、流域の特性に応じて土地利用の規制・誘導を行うことや、地域住民の避難行動に役立つ情報提供を行うことなどのソフト対策も併せて行っていくことが重要である。

以下の問いに答えよ。

 (a) 土地利用の規制・誘導と一体となった治水対策の手法として、輪中堤や宅地のかさ上げが挙げられるが、これらの治水対策の効果を有効に発揮させるために重要と考えられることを簡潔に説明せよ。

 (b) 洪水被害の防止・軽減を図るために効果的な情報提供手法の一つとして洪水ハザードマップが挙げられる。そこで、洪水ハザードマップにおいて提供すべき具体的な情報の項目を挙げよ。また、洪水ハザードマップが効果的に活用されるために必要と考えられることについて述べよ。

 

(2) 我が国においてはこれまで多くのダムが建設されてきたが、今後新たなダム建設に適した土地が少ないことに鑑みると、既存のダムを最大限有効に活用していくために対策はますます重要となっていくものと考えられる。そこで、これら既存のダムの洪水調節能力を増強又は効率的に活用させる方策を3つ挙げ、それぞれの内容について簡潔に説明せよ。

 

(3) 治水施設に関する以下の用語について、それぞれ簡潔に説明せよ。

 (a) 遊水地

 (b)水制

 

(4) 我が国においては、地形及び地質の条件により、河川の上流から河口・海岸に至る流砂系での土砂移動量が多い。しかしその一方で、海岸における砂浜の後退など、河口・海岸に到達する土砂量の減少を一因とするような問題もみられている。そこで、河川及びその流域において、河口・海岸に到達する土砂量を減少させる要因として考えられるものを2つ挙げるとともに、それらの要因を改善するための対策についてそれぞれ簡潔に述べよ。

 

(1)の解答

(a) 土地利用の規制・誘導と一体となった治水対策の手法として、輪中堤や宅地のかさ上げが挙げられるが、これらの治水対策の効果を有効に発揮させるために重要と考えられることを簡潔に説明せよ。

遊水機能を有する土地の保全を併せて実施することで、下流の河道流量や水位を低減することができ、安全性が向上する。

(b) 洪水被害の防止・軽減を図るために効果的な情報提供手法の一つとして洪水ハザードマップが挙げられる。そこで、洪水ハザードマップにおいて提供すべき具体的な情報の項目を挙げよ。また、洪水ハザードマップが効果的に活用されるために必要と考えられることについて述べよ。

項目

・洪水予報等、避難情報の伝達方法

・気象情報等のありか

・浸水想定区域図

・避難場所

・被害の形態

・避難時危険個所…等

効果的に活用されるために必要なこと

・各世帯への確実な配布

・自治体のイベント(防災訓練など)や学校等で、ハザードマップの活用方法について説明する。

・インターネット利用等による住民が洪水ハザードマップの提供を受け取ることができる状態の確立。

ひとこと

ハザードマップに関する知識は”集団討論”などでも活用することができます。

また土木系の公務員になるにあたって必要な知識です。

 

(2)の解答

(2) 我が国においてはこれまで多くのダムが建設されてきたが、今後新たなダム建設に適した土地が少ないことに鑑みると、既存のダムを最大限有効に活用していくために対策はますます重要となっていくものと考えられる。そこで、これら既存のダムの洪水調節能力を増強又は効率的に活用させる方策を3つ挙げ、それぞれの内容について簡潔に説明せよ。

①貯水容量の増大

堤体のかさ上げや貯水池掘削により既存の貯水池周辺の影響を最小限にして効率的に貯水容量を増大。

②放流能力の増強

大深径で大口径の堤体の削孔して放流管を増設する。また低位放流管の新設等による放流能力の増強。

③堆砂対策の高度化

土砂バイパストンネルによる堆砂の調整。

 

(3)の解答

 (a) 遊水地

洪水時に洪水の流水を一時的に氾濫させる土地のこと。

 (b)水制

川を流れる水の作用(侵食作用)から、河岸や堤防を守るため、水の流れる方向を変えたり、水の勢いを弱める目的で川の中心部に向かって設置するもの。

ひとこと

(a)(b)どちらも重要単語なのできちんと覚えておきましょう。

 

(4)の解答

(4) 我が国においては、地形及び地質の条件により、河川の上流から河口・海岸に至る流砂系での土砂移動量が多い。しかしその一方で、海岸における砂浜の後退など、河口・海岸に到達する土砂量の減少を一因とするような問題もみられている。そこで、河川及びその流域において、河口・海岸に到達する土砂量を減少させる要因として考えられるものを2つ挙げるとともに、それらの要因を改善するための対策についてそれぞれ簡潔に述べよ。

①ダム堆砂によるもの

[対策]

排砂バイパス施設の設置やスリット型ダムの採用など。

②砂利採取によるもの

[対策]

河床掘削の採用は極力避ける。(河川横断工作物の採用も控える)

 

平成24年度 国家総合職 工学区分 河川工学の問題と解答

(1) 河川計画に関する以下の問いに答えよ。

 (a) 河川整備基本方針と河川整備計画の関係について、簡潔に説明せよ。

 (b) 河川整備基本方針と河川整備計画において、それぞれ定めるべき事項を挙げよ。

 (c) 計画高水流量について、以下の語句を用いて簡潔に説明せよ。

 [ 基本高水、河道、上下流 ]

 (d) 維持流量の設定について、配慮する項目のうち5項目を列挙し、その内容について説明せよ。

 

(2) 以下の施設について、それぞれ目的と設置における留意点について簡潔に説明せよ。

 (a) 河口堰

 (b) 捷水路

 

(3) 高規格堤防について、以下の問いに答えよ。

 (a) 高規格堤防について、以下の語句を用いて簡潔に説明せよ。

 [ 計画高水流量、破堤、土地利用 ]

 (b) 高規格堤防設置区間の設定に当たって考慮すべき点について説明せよ。

 

(1)の解答

 (a) 河川整備基本方針と河川整備計画の関係について、簡潔に説明せよ。

河川整備基本方針とは長期的な観点から国土全体のバランスを考慮して基本高水、計画高水流量配分等、抽象的な事項を科学的・客観的に定めるものであるのに対し、河川整備計画とは、河川整備基本方針に沿って長期的な具体の整備内容を定めるものである。

 (b) 河川整備基本方針と河川整備計画において、それぞれ定めるべき事項を挙げよ。

河川整備基本方針

・当該水系に係る河川の総合的な保全・利用に関する基本方針

・河川整備の基本的な事項(基本高水配分、計画高水流量、計画高水位、流量、河幅など)

河川整備計画

・河川整備の目標

・河川工事の実施に関する事項(河川工事の目的・種類・施工場所、河川維持の目的・種類・施工場所、河川管理施設の機能など)

 (c) 計画高水流量について、以下の語句を用いて簡潔に説明せよ。

 [ 基本高水、河道、上下流 ]

河道を建設する場合に基本となる流量で、基本高水を河道と各洪水調節施設に上下流のバランスを考慮した上で配分した結果として求められる河道を流れる流量のこと。

 (d) 維持流量の設定について、配慮する項目のうち5項目を列挙し、その内容について説明せよ。

・動植物の生息地または生育地の状況(流量域によって生息・生育環境が縮小)

・景観の悪化(渓谷美などを保つよう)

・流水の清潔の保持(渇水時に水質が悪化することがある)

・舟運(渇水時に舟が運行不能にならないよう)

・地下水位の維持(渇水時に地下水位が低下することがある)

ひとこと

河川整備基本方針と河川整備基本計画についての説明や内容はあらかじめ準備しておきましょう。

(c)(d)も過去に出題された問題の類題です。

 

(2)の解答

(2) 以下の施設について、それぞれ目的と設置における留意点について簡潔に説明せよ。

 (a) 河口堰

目的

治水・利水(主に水源開発)を目的として、河川の河口部に設置する。

堰で河川を締め切り海水の溯上を遮断することで水の利用を図る。

留意点

河川ー海にかけての連続的な環境を遮断してしまうため、生態系への配慮が必要。

 (b) 捷水路

目的

土地利用や下流の洪水被害を防止する目的で蛇行する河川の湾曲部を直線的に連絡するため水路を開削する。

留意点

短縮部で河床勾配が変化してしまうため、河床変動に対する配慮が必要。(また、生物の生息環境や河川景観の保全・創出といった多自然川づくりにも配慮)

ひとこと

捷水路は過去に何度も出題されています。

「捷水路」と検索してどんなものなのかイメージできるようにしておきましょう。

 

(3)の解答

 (a) 高規格堤防について、以下の語句を用いて簡潔に説明せよ。

 [ 計画高水流量、破堤、土地利用 ]

堤防の敷地である区域内は通常の土地利用を行い、計画高水流量を超える流量の洪水の作用でも破堤せずに堪えることができる堤防。

 (b) 高規格堤防設置区間の設定に当たって考慮すべき点について説明せよ。

・沿川密集市街(木造)であること。

・地下重要施設があること。

・社会経済活動中枢機能を有すること。

・ゼロメートル地帯・低平地であること。

これらのことに配慮して設置区間を設定する。

 

平成25年度 国家総合職 工学区分 河川工学の問題と解答

(1) 河川の基本高水の決定は、一般に、その対象とする河川の特性に応じて、適切な洪水流出モデルを用いて対象降雨を流量に変換することにより行う。一般的に用いられる洪水流出モデルを3つ挙げ、それぞれの特徴について説明せよ。

 

(2) 洪水防御計画の立案に当たっては、基本高水を合理的に河道、洪水調節施設に分配して、主要地点の河道、ダム等の計画の基本となる計画高水流量を決定することとなるが、基本高水を河道と洪水調節施設に分配する際に検討すべき事項を3つ挙げよ。

 

(3) 洪水は自然現象であり、計画高水を上回る洪水(超過洪水)が発生する可能性がある。超過洪水に対する具体的な策として考えられるものを3つ挙げよ。

 

(4) 以下の施設について、施設を設置する目的及び設置・運用に際しての留意事項をそれぞれ簡潔に説明せよ。

 (a) 排水機場

 (b) 砂防えん堤

 

(5) 日本の河川には多数の河川構造物(樋門・樋管、堰等)が存在し、近年、これら施設の老朽化が進んでおり、より効率的な河川管理が求められているところである。それに伴い、河川構造物の長寿命化及び更新に関する様々な取組がなされているが、この取組に際して特に考慮すべき事項について説明せよ。

 

(1)の解答

(1) 河川の基本高水の決定は、一般に、その対象とする河川の特性に応じて、適切な洪水流出モデルを用いて対象降雨を流量に変換することにより行う。一般的に用いられる洪水流出モデルを3つ挙げ、それぞれの特徴について説明せよ。

①貯留関数法

流出現象の非線形特性を表すため、降雨から流出への変換過程を導入し、貯留量と流量との間に一義的な関数関係を仮定し、貯留量を媒介変数として降雨量から流出量を求める手法。

②タンクモデル

仮想の貯留型タンクを複数個組み合わせることによって流出機構のモデル化を試みたもの。

③単位図法

河川のある地点における単位時間・単位有効雨量による流出ハイドログラフは同型と仮定して線形に重ね合わせてハイドログラフを求める手法。

ひとこと

洪水流出モデルも過去に何度も出題されています。

僕の解答に自信はありませんが、絶対に用意しておきましょう。

 

(2)の解答

(2) 洪水防御計画の立案に当たっては、基本高水を合理的に河道、洪水調節施設に分配して、主要地点の河道、ダム等の計画の基本となる計画高水流量を決定することとなるが、基本高水を河道と洪水調節施設に分配する際に検討すべき事項を3つ挙げよ。

・ダム、調節池、遊水地といった洪水調節施設の設置の技術的、経済的、社会的及び環境保全の地見からの検討。

・河道については現河道回収、捷水路、放水路、派川への分流等についての技術的、経済的、社会的及び環境保全の地見からの検討。

・超過洪水に対する対応の技術的、経済的、社会的検討。

・事業実施の各段階における施設の効果の検討。

・改修後における維持管理の難易についての検討。

この中から3つ。

(3)の解答

(3) 洪水は自然現象であり、計画高水を上回る洪水(超過洪水)が発生する可能性がある。超過洪水に対する具体的な策として考えられるものを3つ挙げよ。

・土地利用などの規制(建物等のかさ上げ、耐水化等)

・警戒避難体制の強化(浸水想定区域図・洪水ハザードマップの周知、洪水情報システム又洪水情報伝達機能の強化など)

・破堤による壊滅的な被害の回避(高規格堤防の整備・設置)

 

(4)の解答

(4) 以下の施設について、施設を設置する目的及び設置・運用に際しての留意事項をそれぞれ簡潔に説明せよ。

 (a) 排水機場

[目的]

台風や洪水等により水門を閉鎖した場合に、降雨等で内水域の水位が上昇したとき、内水域の氾濫を防ぐため、ポンプを用いて河川に排出する施設。

[留意点]

ポンプ場を計画し、設置する場合は、目的、立地条件、投資効果、周辺の環境条件、維持管理等を考慮して決定する必要がある。

(b) 砂防えん堤

[目的]

土石流による被害を軽減するために渓流に設置。

他にも土砂を貯めて渓流の勾配を穏やかにしたり大量の土砂が下流に流れ込むのを防ぐ効果もある。

[留意点]

コストが高く、形式が多いため、目的・安全性を十分考慮した上で設置。

 

(5)の解答

(5) 日本の河川には多数の河川構造物(樋門・樋管、堰等)が存在し、近年、これら施設の老朽化が進んでおり、より効率的な河川管理が求められているところである。それに伴い、河川構造物の長寿命化及び更新に関する様々な取組がなされているが、この取組に際して特に考慮すべき事項について説明せよ。

国が管理している河川構造物のうち、設置後40年以上のものは現時点で全体の約4割、10年後には6割、20年後には8割にも達する。そのため、点検等の維持管理に莫大な費用がかかってしまう。なので、時間計画保全や状態監視保全などの予防保全や通常事後保全、緊急保全といった事後保全の考え方にきちんとわけて構造物を区分し、効率よく管理を行う必要がある。

ひとこと

老朽化は今の現時点でも問題となっていますし、今後も出題される可能性があります。

”集団討論”がある場合に、話題になったりもするので深く勉強しておくとよいでしょう。

 

平成26年度 国家総合職 工学区分 河川工学の問題と解答

(1) 河川堤防は盛土により築造することを原則としているが、その利点及び欠点について、次の語句をすべて用いて説明せよ。ただし用いた語句に下線を引くこと。

 [ 語句 : 工費、劣化現象、被災からの復旧、洗堀、越流 ]

 

(2) ダムに関する以下の問いに答えよ。

 (a) 次に示すダムによる代表的な洪水調節方式㋐~㋒について、それぞれの概要を説明せよ。

 ㋐ 一定率一定量放流方式

 ㋑ 一定量放流方式

 ㋒ 自然調節方式

 (b) それぞれの方式について、どのような河川又は流域に適するかを説明せよ。

 

(3) 河川構物の老朽化等に関する以下の問いに答えよ。

 (a) 河川構造物(堰、水門、樋門・樋管、揚・排水機場など)の老朽化の現状について、次の語句をすべて用いて説明せよ。

[ 語句 : 設置後40年、国管理区間、現時点、10年後 ]

 (b) 点検をはじめとする整備、更新などの維持管理に関わる活動は、大別して予防保全又は事後保全のいずれかに分類される。

(ⅰ) 予防保全の考え方に関する以下の用語㋐、㋑について説明せよ。

 ㋐ 時間計画保全

 ㋑ 状態監視保全

(ⅱ) 事後保全の考え方に関する以下の用語㋐、㋑について説明せよ。

 ㋐ 通常事後保全

 ㋑ 緊急保全

 

(4) 「多自然川づくり」に関する以下の問いに答えよ。

 (a) 「多自然川づくり」の概要について説明せよ。

 (b) 次に示す項目㋐~㋓について、「多自然川づくり」において配慮すべき留意点を説明せよ。

 ㋐ 縦断計画

 ㋑ 横断計画

 ㋒ 護岸

 ㋓ 本川と支川または水路との合流部分

 

(5) 河川流量から水位や流速を求めるための手法である等流計算、不等流計算、不定流計算について、空間的及び時間的な観点から違いを説明せよ。

 

(1)の解答

(1) 河川堤防は盛土により築造することを原則としているが、その利点及び欠点について、次の語句をすべて用いて説明せよ。ただし用いた語句に下線を引くこと。

 [ 語句 : 工費、劣化現象、被災からの復旧、洗堀、越流 ]

①堤体材料としての土は安価で多量に調達できる、また、②維持管理が容易なので工費が安い、③土は半永久的な材料で劣化現象がほとんど起こらない、④仮に被災したとしても被災からの復旧が短時間で行える

などの利点があげれれる反面、

欠点として、①流水による洗堀に弱く、②洪水などで越流した際に土でできた堤防の川裏法尻を洗堀されることによる崩壊などがあげられる。

 

(2)の解答

(a) 次に示すダムによる代表的な洪水調節方式㋐~㋒について、それぞれの概要を説明せよ。

㋐ 一定率一定量放流方式

計画の最大流量までは、ダムへの流入量に一定の率をかけた量を放流し、最大の流入量に達した後はその時の放流量で一定量放流する方式。

㋑ 一定量放流方式

ある一定以上の流入に対して、その一定量以上の放流を行わない方式。

㋒ 自然調節方式

洪水吐きにゲートを有しておらず、洪水吐きから自然に放流する方式。

放流量は洪水吐きの大きさと水位によって決まる。

(b) それぞれの方式について、どのような河川又は流域に適するかを説明せよ。

㋐ 一定率一定量放流方式

下流が河川改修されておらず、流下能力が相当低い時に用いる。

㋑ 一定量放流方式

下流が河川改修されており、ある流量まで安全に流下できるときに用いる。

㋒ 自然調節方式

小さな流域で、水の出が早く、人による操作が困難な場合に用いる。

 

(3)の解答

(a) 河川構造物(堰、水門、樋門・樋管、揚・排水機場など)の老朽化の現状について、次の語句をすべて用いて説明せよ。

[ 語句 : 設置後40年、国管理区間、現時点、10年後 ]

国管理区間における河川構造物の中で、設置後40年以上のものは現時点で全体の約4割あり、10年後には6割、20年後には8割に達する。

(ⅰ)㋐ 時間計画保全

時間を意識し、周期(対策実施時期)を定め、その周期に従って定期的に保全を行うという考え方。

(ⅰ)㋑ 状態監視保全

状態(劣化傾向)を意識して、故障に至る最適な時期に最適な保全を行うという考え方。

(ⅱ) ㋐ 通常事後保全

調子が悪くなった設備・施設などをその都度調べ、修繕をしていくという考え方。

(ⅱ)㋑ 緊急保全

予防保全に重点を置く施設等が突発的に故障・停止した場合に、口頭連絡により直ちに修理を行うという考え方。

ひとこと

老朽化に関する知識は”集団討論”などでも活用することができます。

最近問題になっているので老朽化に関する知識はおさえておきましょう!

 

(4)の解答

(a) 「多自然川づくり」の概要について説明せよ。

河川が本来有している生物の自然環境や多様な景観を保全・創出して、治水機能と環境機能を両立させた河川管理のこと。

(b) 次に示す項目㋐~㋓について、「多自然川づくり」において配慮すべき留意点を説明せよ。

㋐ 縦断計画

その河川が本来有している多様性に富んだ自然環境を保全・創出することを基本として定め、掘削等の河床材料や縦断形の変化や床止め等の採用は極力避けること。

㋑ 横断計画

河川が本来有している自然の復元力を活用するため、標準横断形による上下流一律の画一的形状での整備は避け、河幅をできるだけ広く確保するようにすること。

㋒ 護岸

水理特性、背後地の地形・地質、土地利用等を十分踏まえた上で必要最低限の設置区間とし、水生生物の生息・生育・繁殖環境や多様な河川景観の保全・創出に配慮した工法とすること。

㋓ 本川と支川または水路との合流部分

水面や河床の連続性を確保するように努めること。

落差工を設置せざるを得ない場合は水生生物の自由な移動を確保するための工夫を行うこと。

ひとこと

最近は治水機能だけでなく、景観や環境に配慮した河川づくりが行われています。

 

(5)の解答

(5) 河川流量から水位や流速を求めるための手法である等流計算、不等流計算、不定流計算について、空間的及び時間的な観点から違いを説明せよ。

等流計算

断面形及び勾配が縦断的に変化しないと考えられる水路に、時間的に一定の流量が流れる場合に、水位や流速を計算すること。

不等流計算

断面形及び勾配が断面的に穏やかに変化する水路に、時間的に一定の流量が流れる場合に、水位や流速の縦断的変化を計算すること。

不定流計算

流量の時間的な変化が無視できない場合に、水位や流速の時間的・縦断的な変化を計算すること。

ひとこと

過去に何度も出題されています。

準備しておくのが無難でしょう。

 

平成27年度 国家総合職 工学区分 河川工学の問題と解答

(1) 河川計画に関する以下の問いに答えよ。

 (a) 河川整備基本方針及び河川整備計画について、定めるべき事項をそれぞれ挙げよ。

 (b) 基本高水の決定過程において、合理式等の流出計算法を用いて計画降雨を流量に変換する計算を行うが、ある河川の地点Pにおけるピーク流量Qp[m3/s]を合理式で表せ。また、合理式を用いる際の適用条件を説明せよ。ただし、流出係数をf、洪水到達時間内の平均雨量強度をR[mm/h]、地点Pより上流の流域面積をA[km2]とする。

 (c) 河川の維持流量の設定に当たり、考慮すべき項目のうち5項目を挙げよ。

 

(2) 治水対策に関する以下の問いに答えよ。

 (a) 以下の施設について、どのような施設かをそれぞれ2行以内で説明せよ。

 (ⅰ) 輪中堤

 (ⅱ) 霞堤

 (ⅲ) 二線堤(控堤、二番堤)

 (b) 以下の施設の設置目的と計画するに当たっての留意点をそれぞれ説明せよ。

 (ⅰ) 護岸

 (ⅱ) 床止め

 

(3) ダムに関する以下の問いに答えよ。

 (a) 我が国の多目的ダムにおいて、洪水調整のための容量、発電のための容量以外にどのような容量が設定されているか、その例を2つ挙げ、その容量をどのように求めるかについてそれぞれ説明せよ。

 (b) いわゆる「穴あきダム」と呼ばれる治水専用ダムについて、治水及び環境の観点からその特徴を説明せよ。

 

(1)の解答

(a) 河川整備基本方針及び河川整備計画について、定めるべき事項をそれぞれ挙げよ。

河川整備基本方針

・当該水系に係る河川の総合的な保全・利用に関する基本方針

・河川整備の基本的な事項(基本高水配分、計画高水流量、計画高水位、流量、河幅など)

河川整備計画

・河川整備の目標

・河川工事の実施に関する事項(河川工事の目的・種類・施工場所、河川維持の目的・種類・施工場所、河川管理施設の機能など)

(b) 基本高水の決定過程において、合理式等の流出計算法を用いて計画降雨を流量に変換する計算を行うが、ある河川の地点Pにおけるピーク流量Qp[m3/s]を合理式で表せ。また、合理式を用いる際の適用条件を説明せよ。ただし、流出係数をf、洪水到達時間内の平均雨量強度をR[mm/h]、地点Pより上流の流域面積をA[km2]とする。

合理式

Qp=1/3.6 ×fRA [m3/s]

合理式を求める場合の適用条件

流域面積が小さく、洪水調節施設(ダムなど)も考慮する必要がない河川で適用

 (c) 河川の維持流量の設定に当たり、考慮すべき項目のうち5項目を挙げよ。

・動植物の生息地または生育地の状況(流量域によって生息・生育環境が縮小)

・景観の悪化(渓谷美などを保つよう)

・流水の清潔の保持(渇水時に水質が悪化することがある)

・舟運(渇水時に舟が運行不能にならないよう)

・地下水位の維持(渇水時に地下水位が低下することがある)

ひとこと

(a)の河川整備基本方針と河川整備基本計画についての説明や内容はあらかじめ準備しておきましょう。

(b)(c)も過去に出題された問題の類題です。

 

(2)の解答

(a)(ⅰ) 輪中堤

ある特定の区域を洪水の氾濫から守るため、周囲を囲むようにした堤防

(a)(ⅱ) 霞堤

河川に沿ってところどころに開口部を設け、下流側の堤防を堤内地側へ延長させ、開口部上流の堤防と二重になるとようにした堤防

(a)(ⅲ) 二線堤(控堤、二番堤)

本堤背後の堤内地に築造される堤防で、万一、本堤が破堤した場合に洪水氾濫の拡大を防ぎ、被害を最小限にとどめることができる。

(b)(ⅰ) 護岸

目的

川を流れる水の作用(侵食作用)から、河岸や堤防を守るために設置。

留意点

水理特性、背後地の地形・地質、土地利用を十分踏まえた上で必要最小限の設置区間とし、水生生物の生息・生育・繁殖環境や河川景観の保全。創出に配慮した工法とすること。

(b)(ⅱ) 床止め

目的

流水による河床の洗堀を防止し、河川の勾配を安定させるため河川に横断して設けられる。

留意点

上下流間での河床変動、水生生物の移動性の連続性、河川景観に配慮し、採用は極力避ける。

ひとこと

(2)の単語はすべて頻出単語です。

次回出題される可能性もあるのできちんと復習しておきましょう。

 

(3)の解答

(a) 我が国の多目的ダムにおいて、洪水調整のための容量、発電のための容量以外にどのような容量が設定されているか、その例を2つ挙げ、その容量をどのように求めるかについてそれぞれ説明せよ。

・総貯水容量

堆砂容量と利水容量と洪水調節容量を合計した容量のこと。

・有効貯水量

総貯水容量から堆砂容量と死水容量を差し引いた容量のこと。

(b) いわゆる「穴あきダム」と呼ばれる治水専用ダムについて、治水及び環境の観点からその特徴を説明せよ。

洪水調節機能は有するが通常時は水をためない治水機能に特化したダムのことで

洪水時には洪水の水を一時的に貯留することができ、下流沿川の洪水被害を軽減できる。

その上、通常時は水を貯めないため、流入水と同じ水質を維持でき、また、水生生物の移動の連続性も確保できる。

さらに流水と同時に土砂も流れるため、水循環・土砂循環、生物移動において、自然に近い物質循環を保つことができる。

ひとこと

「穴あきダム」については過去に何度も出題されています。

きちんと解答を用意しておかなければいけません。

 

平成28年度 国家総合職 工学区分 河川工学の問題と解答

(1) 河川の調査について、以下の問いに答えよ。

 (a) 以下の用語について、それぞれ簡潔に説明せよ。

 (ⅰ) 水位

 (ⅱ) フロート式水位計

 (b) 水位計などを備えている水位観測所の設置場所の選定に際し、満たすべき設置場所での条件を2つ挙げよ。

 

(2) 河川の計画に関する以下の用語について、それぞれ2行程度で説明せよ。

 (a) 基本高水

 (b) 計画高水流量

 

(3) 河川の堤防に関する以下の問いに答えよ。

 (a) 河川に堤防を整備する目的を1行程度で説明せよ。

 (b) 河川における堤防法線を設定する際に、考慮すべき事項を4つ挙げよ。

 

(4) 治水対策に関する以下の問いに答えよ。

 (a) 捷水路について、1行程度で説明せよ。

 (b) 水制を設置する目的を2行程度で説明せよ。

 (c) 根固工について、以下の問いに答えよ。

 (ⅰ) 根固工を設置する目的を1行程度で説明せよ。

 (ⅱ) 根固工が有すべき性質を3つ挙げよ。

 

(1)の解答

(a)(ⅰ)水位

基準面から測った河川の水面の高さのこと。

(a)(ⅱ)フロート式水位計

フロートを観測井の水面に浮かべ、その上下の動きを滑車を介して水位計の内部機構によって水平軸の動き、角度に変えて水位を測るもの。

(b) 水位計などを備えている水位観測所の設置場所の選定に際し、満たすべき設置場所での条件を2つ挙げよ。

・地形の狭い場所や急流部などにより気流や降水が特殊な値を示すようなことがない地点。

・豪雨時に浸水や崖崩れの恐れがない地点。

 

(2)の解答

(a) 基本高水

河川整備基本方針の中で決定される洪水防御の基本となる流量のうち、計画規模の降雨が発生した場合に洪水防御の基準となる地点で発生する流量。

(b) 計画高水流量

河道を建設する場合に基本となる流量で、基本高水流量から各洪水調整施設での洪水調整量を差し引いた流量。

ひとこと

基本高水や計画高水流量は頻出なので覚えておきましょう!

 

(3)の解答

(a) 河川に堤防を整備する目的を1行程度で説明せよ。

生命・生活・資産を洪水の被害から守るために設置。

(b) 河川における堤防法線を設定する際に、考慮すべき事項を4つ挙げよ。

・沿川の土地利用状況

・河特有の自然環境や連続性

・洪水時の流況

・河道の貯流降下

 

(4)の解答

(a) 捷水路について、1行程度で説明せよ。

蛇行する河川の湾曲部を直線的に連絡するために開削した人工水路。

(b) 水制を設置する目的を2行程度で説明せよ。

河川を流れる水の作用(侵食作用)から河岸や堤防を守るために、水の流れる方向を変えたり、水の勢いを弱くする目的で設置される。

(c) (ⅰ) 根固工を設置する目的を1行程度で説明せよ。

(洪水時に河床の洗堀が著しい場所において)

基礎工前面の河床の洗堀を防止する目的で設置。

(c)(ⅱ) 根固工が有すべき性質を3つ挙げよ。

・基礎工の沈下を防止

・法面からの土砂の吹き出しを防止

・流水による急激な河床洗堀を防止

ひとこと

捷水路、水制、根固工は頻出単語です。

これで終わりです!
お疲れさまでした!

せんせい

この記事を書いている人 - WRITER -
公務員試験専門家@マジ指導
私が噂のせんせいです(笑)「こんな『せんせい』がいたらよかったのに!!!」という受験生の想いを叶えるべく私が存在してます(笑)・誰かに相談したい...・面接が苦手...・何からやればいいかわからない...あなたの状況に応じてアドバイスしてます。「フォローするかしないか、悔いが残らない方を自分で選べ」→  Twitterアカウントはコチラ